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How to build a Fei-Yen with VH

Introduction


Fei-Yen with VH box すっかりマクロスと共にハセガワのキャラクターモデルの柱に育ったバーチャロンシリーズ。 テムジン・アファームドに続く第三弾はフェイ・イェンです。 今回もフェイ・イェン系列のベースモデルとなるFei-Yen with VHで、仮組から完成までの一連の手順を追っていきます。 今回はいつもと少し趣を変えて、キットのポージングに、よりVividな表情を増やす簡単な改造を施してみます。

まずはお約束

本稿で"A1"、"F11"等の表記は部品番号を指します。 また"工程12"等の表記は、組立説明書の組立工程番号のことです。 ”331番”等の表記はGSIクレオス社のMr.カラーの番号です。 #600等の表記は耐水ペーパーの番号のことです。 "φ1.5"は直径1.5mmという事です。  "インスト"とはインストラクションマニュアルの略で、組立説明書のことです。
BASIC
このタグがあるパートは、箱横のメーカー完成見本と同程度の完成度を目指す為の必須工作です。 基本的にはこのタグのパートに従って工作を進めれば、完成まで持っていけるはずです。
ADVANCED
このタグがあるパートは、可動軸の追加やディテールアップ等の追加工作についての記述です。 必須工作ではありませんので、参考程度に読んでいただければ良いと思います。
その他、塗料や道具については適宜説明します。

Cut off the parts

BASIC
HASEGAWA Fei-Yen parts まずは、パーツチェックをします。 ランナーから欠落している部品や破損している部品が無いかを、パーツを切り出す前に調べます。 特にC8パーツをチェックしてみてください。 このパーツ、金型の形状のせいか、どうも樹脂が流れきっていないことがあるようで、私が3個購入したうちの2個に不良がありました。(左写真1) 対処出来ないような、大きな問題ではないので私はそのまま作りましたが、あまりにも状態が悪いようでしたらハセガワに問い合わせてください。

それでは、パーツを切り出します。 切り出しに際して特に注意を要するパーツは以下の通りです。

ツインテールのパーツL3〜L6の先端にはボールジョイントがあります。 不要部分と間違えてカットしないように気をつけてください。 (左写真2)

B5パーツの両脇にA18との接合部があります。 ここもランナーに繋がった状態では不要部分と間違えやすいので注意してください。(左写真3)

靴のベルトパーツB1,B2は図のように切り出して、先にパーティングラインの処理をしておきます。 個々のパーツに切り離してしまった 後はパーツの保持が難しいですが、図の状態ですと楽に作業が行えます。(左写真4)

Pre Assemble

BASIC
HASEGAWA Fei-Yen front view HASEGAWA Fei-Yen back view 仮組みをします。 このシリーズはクリアパーツ等一部のパーツを除いて接着剤無しでも組み立てることが出来る仕様ですので、仮組みも大変楽に出来ます。 だいたい左の写真程度(クリアパーツと髪の一部パーツが付いていない)まで組みあげてみます。

ここで、接合線やヒケ、押し出しピン跡のチェックを入念にします。 たとえパーツ単位で見たときにヒケがあったとしても、組み上げたときに見えないのなら修正の必要は無いわけです。 押し出しピン跡も同様です。 しかし白いパーツの押し出しピン跡は無塗装の状態では見付け難いので注意が必要です。 エプロンドレスの肩口のパーツ(E8,E11,E12)等は注意してください。 接合線にしても押し出しピン跡にしても何が何でも消さなければならないと考えるのではなく、製作者である、自分自身が許容出来るか否かで判断してください。

また、この段階でどこまでのディテールアップをするかのプランを立てます。

接合線の処理やディテールアップのプランについて簡単なメモを作っておくと処理のし忘れや、塗装忘れを防ぐことが出来ます。 また、ディテールアップや可動軸の増設等は、作りながら方針を変更するのではなく、この段階で確たるプランを持っておくことが完成させるコツです。

Prepare PART1

BASIC
HASEGAWA Fei-Yen thigh parts list 塗装前に組み立て可能な場所を一気に組み立てます。 具体的には工程11-12(D2は装着しない),16,20そして26です。

工程11-12でF4とF5、F6とF7の組み合わせでスカートのフリル部分を作ります。 このとき、それぞれのパーツの組み合わせによっては合いが悪い場合があります。 その場合は、F5,F6のダボにある取り付け角度調整用のフラップ(左写真上段の赤丸部分)を少し削ってやります。 するとかなり合いが向上します。 左写真下段右が加工した状態です。

HASEGAWA Fei-Yen skirt HASEGAWA Fei-Yen skirt F5,F6の表面にはピン上にヒケがあります。 真面目に全部消すのも勿論良いわけですが、スカート部分をユニットとして仮組してみると、8ブロックの内、実際にヒケが見えるのは後の3ブロックだけだと判ります。 他はエプロンパーツA8で見えません。 パーツ固定用の切り欠きがあるF6を一つと、それが無いF5を二つだけ処理すると言うのも手です。 処理を施したパーツが判るように裏側に油性ペン等で印を付けておき、組み立て時に正しく配置出来るようにしておきます。 この部分のヒケの処理ですが、パテや瞬間接着剤を盛らずとも、ヤスリで表面を削ってやるだけでだいたい綺麗に消せます。 F5,F6パーツを良く吟味してヒケの少ない物を選び出して処理してやると、より楽です。

HASEGAWA Fei-Yen skirt 肩口のフリルパーツE7,E11,E12の裏にある押し出しピン跡を消します。 裏側とは言え、ここは完成後にかなり目立ちますので、必ず消しておきます。 同じブロックのE8パーツの押し出しピン跡は、完成後には殆ど見えなくなるので、処理するかどうかはご自身で判断してください。

この部分の押し出しピン跡は小さい上に湾曲している部分にあるため、紙やすりでの処理は、少々難しいです。 私は電動リューターで処理しました。

HASEGAWA Fei-Yen skirt ロボットキットの製作のときには毎度言っていますが、漫然とヤスリ掛けをせず、良く面構成を見て、面と面のつながりがダルにならないように気をつけます。 また、サンディングの際は、必ず当て木をして力が均等にパーツに加わるようにしてやります。

写真は前腕部ですが、今回は関節部が後ハメを考慮した設計になっています。 F10とF11の間にポリパーツPC-FとPC-7を挟んで接着します。 関節パーツG5,G7は塗装後に装着します。

Prepare PART2

BASIC
HASEGAWA Fei-Yen B6 part HASEGAWA Fei-Yen A3 part
胴体部分の後ハメ加工をします。 接続部を丸ごと削除するのではなく、必要最低限を削除することで、接着の位置決めや、仮組がしやすくなります。 胸部B6パーツは下端を写真左の様に削ってください。 胴側はA3パーツの写真で赤く塗った部分を削除します。 下端のピンはD1パーツを接続するため若干残します。 A4パーツ下端部を削ります。

HASEGAWA Fei-Yen skirt HASEGAWA Fei-Yen skirt パンツの後ハメ加工です。 写真が悪くて判りにくいのですが、左が加工前、右が加工後です。 A1,A6パーツを接着後内側、特に前後を重点的に削り込みます。 右写真程度の状態になると腰パーツ(C7,C8)に後ハメが出来るようになります。

advance
HASEGAWA Fei-Yen skirt HASEGAWA Fei-Yen skirt "愚者の慈愛"の柄の部分の処理です。 L1をN4とN3で挟みますが、この部分の接合線は殆ど見えないので、特に処理はいらないかと思います。 しかし、「いや、こんなところに接合線が出るのはイヤだ」とおっしゃる諸兄は消さなければなりません。 とは言え、ここの接合線は、単純に消すのも割りと難しいのです。 枠の内側で、なおかつ球状のパーツですから。 実際には、どうするかと言うと、パーツを接着後、左写真のように丸棒ヤスリまたは針ヤスリを使います。 金属ヤスリをあまり使わない方の為にアドバイスをすると、金属ヤスリには押すときに軽く力をいれて、引くときは力をいれないようにします。 金属ヤスリには目があり、引くときに力を入れてしまうと、削るパーツに傷が入ります。 丸棒ヤスリを部品に対してやや斜めに当てて、すこしずつ削ってやり、だいたい接合線が消えた後で、折畳んだ#600のサンドペーパーでサンディングしてやります。

袖口及びソックスの折り返し部分(E13,E14)の処理です。 この部分はモールドはあるものの、ハイエンドCGでは抜けている表現になっている為、開口加工をします。 また、写真には写っていませんがエプロンの肩口E8のスリット部も開口します。

それぞれが2個ありますので、合計38箇所です。 ちなみにA17は開口しません。 次の様な段取りで開口します。
HASEGAWA Fei-Yen skirt HASEGAWA Fei-Yen skirt HASEGAWA Fei-Yen skirt
  1. 各パーツを裏側からリューターをあてて削り、薄くします。
  2. スリットの一番広い場所にφ0.5のピンバイスで穴を開けます。
  3. デザインナイフ等で慎重にスリットのエッジ部分を切り取ります。

基本は1〜3の繰り返しですが、3のところで写真に写っているようなツールを使うと比較的綺麗に仕上げられます。 これは精密マイクロナイフ[C]と言うツールで、刃幅1.2mmの平刃TK-02と、刃幅1.5mmの三角刃のTK-05を使用しました。 三角刃で先端部に切り込みを入れ、平刃で両サイドを切り取ります。 大型の模型専門店等で¥1000程で入手出来ます。

HASEGAWA Fei-Yen skirt慣れればそれなりのスピードで処理出きる様になりますが、慣れるまでは慎重に作業してください。 面倒なだけで、作業そのものは簡単です・・・と、言いたいところですが、3セット作った私の場合は、3セット目にして、ようやく満足できる仕上がりになりました。 1セット目は酷い出来の部分があります。 綺麗に切り出せないならやらない方がマシなので、この処理を行うかどうかは慎重に判断してください。
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